多くの人が宝くじを購入する際には、運を呼び寄せるために特定の縁起を担ぐ習慣があります。
このような吉兆とされる概念の中に、「末広がり」という言葉が存在します。この言葉は、結婚式などのお祝いの席でよく用いられます。
「末広がり」は頻繁に耳にする表現ですが、その具体的な意味や、なぜ吉兆とされるのかについてはあまり知られていません。
この記事では、以下のトピックに焦点を当てて解説します。
- 「末広がり」の意味
- 「末広がり」が吉兆とされる理由
- 「末広がり」に関連する縁起物
これらの情報が、皆さんの理解の助けになることを願っています。
「末広がり」という表現の深い意味とは?
未来への展望!
「末広がり」とは、下方に向かって拡がり、永続的な進展を意味する言葉です。ここでいう「下」は文字通りの方向ではなく、時間的な意味での「未来」や「将来」を示します。そしてこの「末(すえ)」が「末広がり」という表現の起源です。
さらに、「末広がり」は、漢数字の「八」を用いて表現されることもあります。
「末広がり」が吉兆とされる理由とは?
八という数字の神秘
「末広がり」がなぜ吉兆とされるのか、その一因は八という数字の形と意味にあります。
漢字の「八」は、上から下へと広がる形状であり、末広がりを象徴します。
このため、日本や中国では数字の「8」も幸運をもたらす数とされています。
八は、「数えきれないほど多い」や「あらゆるもの」を意味します。
例えば、「八百万の神」は無数の神々を指す言葉です。他にも「八重桜」「口八丁手八丁」「八百屋」「嘘八百」など、八を含む表現は多岐に渡ります。
このように、八は多方面に広がる吉兆の象徴として、「末広がり」と結びついています。
狂言での「末広がり」
狂言の世界にも「末広がり」という演目があります。
簡単にその内容を紹介しましょう。
ある日、主人の依頼で扇を購入に行った従者が、詐欺師に騙されて高価な傘を購入してしまいます。
詐欺師は従者に、「主人が怒ったら、この歌を歌え」と教えます。
従者が間違った買い物をして帰宅すると、当然主人は怒ります。
そこで従者が歌を歌うと、主人は怒りを忘れて「めでたしめでたし」となります。
この狂言の鍵となるのは、「扇」とその歌です。
主人が求めていたのは「末広」と呼ばれる縁起の良い扇でしたが、従者はそれを知らず、傘を買ってしまう面白いやり取りがあります。
また、従者が学んだ歌は、主人を楽しませるにぎやかなものです。
最後はドタバタを経て「めでたしめでたし」と終わるこの演目は、狂言の中でも人気のあるものです。
お祝いの席に相応しい演目で、見る機会があればお勧めします。
「末広がり」に関連する縁起物は?
扇子
末広がりを象徴するアイテムの一つとして、扇子が挙げられます。
以前触れた狂言「末広がり」にも登場する扇子は、開いて逆さにすると漢数字の「八」に似ています。
昔から、純白の扇子を2本贈ることが、末広がりを願う縁起物として行われてきました。
近年では、実用性を考慮して、扇子のモチーフをあしらったアイテムや扇子形の皿なども贈られることがあります。
これらのアイテムも、白い地色を基調にすることで、「純白の扇子」の意味を受け継いでいるのです。
末広がりの象徴である縁起の良い物や料理
たとえばお正月に食べられる「数の子」は子孫繁栄を願う縁起物ですし、「黒豆」は健康と勤勉を願って食べられます。
おせち料理に欠かせない一品として、八頭(やつがしら)の煮物が挙げられます。
八頭は特殊な形状の里芋で、複数の芋が連なったような形をしています。
これを適切な大きさに切り、お醤油で煮込んだものが八頭の煮物です。
末広がりを象徴する「八」という数字に「頭」が加わることで、子孫繁栄の願いを込めています。
富士山
日本の最高峰である富士山も、その広がりを見ると末広がりを連想させます。
富士山の形状から、それは縁起の良い象徴とされています。
江戸時代には、「富士詣で」として富士山を訪れることが縁起担ぎの一環とされました。
さらに、富士山を眺めるだけでも吉兆とされ、そのため「富士見」と呼ばれる場所で富士山を眺めることが人気となりました。
繁栄と幸福を長く続けるために!
「末広がり」は、将来に向けて発展し続けることを意味する、吉兆を象徴する言葉です。
漢数字の「八」はこの概念の代表とされ、多くの人々にとって幸運を呼び込む数字として重宝されています。
扇子はその形状から「末広」と称され、狂言の舞台などにも登場するほど文化的に根付いています。
また、富士山の形状も末広がりを象徴し、今日でも多くの人にとってのパワースポットとして愛されています。
日常生活の中で「末広がり」の概念を取り入れ、幸運を呼び込むことはいかがでしょうか?
まとめ
「末広がり」とは、未来や将来が広がることを意味し、縁起が良いとされています。
これは漢数字の「八」が象徴しており、多くの人々にラッキーナンバーとして親しまれています。
扇子の形から「末広」と呼ばれることや、富士山の形状が末広がりを象徴する例もあります。
これらの要素を日常に取り入れることで、繁栄と幸せを呼び込むとされています。