「原本」と「原紙」って、見た目はよく似ているのに、実はまったく別の意味を持つ言葉なんです。
原本はオリジナルの文書や本のことで、契約書や領収書などでよく使われます。
一方の原紙は、蚕の卵を産みつける紙や、昔のガリ版印刷で使われた特殊な紙のこと。
この記事では、この2つの違いをわかりやすく整理しながら、具体例や比較表も交えて解説していきます。
さらに「元本」や「原典」といった、似ていて間違いやすい言葉についても触れますので、「原本と原紙って何が違うの?」と思ったときの参考にしてくださいね。
原本と原紙の違いをひとことで言うと?

「えっ、原紙って“原本のコピー用紙”のことじゃないの?」

「それ全然違うわよ~。原紙は特殊な紙のことなのよ。」
「原本」と「原紙」は、字面が似ているため混同されやすい言葉ですが、意味はまったく異なります。
結論から言うと――
- 原本は「オリジナルの文書や書籍」
- 原紙は「蚕卵用やガリ版印刷用など、特定の用途で使われる特殊な紙」
このように、同じ「原」という字を含んでいても、対象や役割は根本的に違います。
「原本は「オリジナルの文書や書籍」
「原本」とは、コピーや複製ではない唯一のオリジナル文書や本を指します。
契約書や戸籍、領収書など、公式な証拠として扱われる場合に使われることが多く、同じ内容のコピーや写しが存在しても、それは「原本」とは呼ばれません。
例えば領収書では、受け取った側の押印がある紙そのものが「原本」となり、そのコピーやPDFはあくまで複製物になります。
原紙=蚕卵用やガリ版印刷用などの特殊な紙

「原紙」は、日常生活で使う普通の紙とは異なり、特定の用途のために作られた特殊な紙を意味します。
代表的なのは、養蚕で使う「蚕卵用紙(さんらんようし)」と、かつて学校や職場で使われていた「ガリ版印刷用のロウ引き紙」です。
どちらも独自の役割を持っていて、一般的な「書類」や「本」を指すわけではありません。
かつては文書の複写を手作業で行うのが一般的でしたが、ガリ版の登場により、学校のテスト問題や通知文書などの複写が容易になりました。
50代以上の方は、先生のお手伝いで学校でガリ版を刷った経験がある方も多いのではないでしょうか?
わら半紙!懐かしいですね!
この技術は1980年代ごろまで広く用いられ、手動のローラーを使ってインクを塗布することで複写を実現していました。
しかし、コピー機の普及により、ガリ版の使用は徐々に減少していきました。
「原本」と「原紙」の違いを要点で整理
ここでは、「原本」と「原紙」の違いを簡潔にまとめます。
「原本」は、複写や印刷を行う前のオリジナルの書類や本を指し、元となる唯一無二の文書です。
対照的に、「原紙」はカイコの産卵用紙やガリ版印刷の専用紙を意味し、特定の文脈で用いられる特殊な用途を持っています。
このように、「原本」と「原紙」は、それぞれに独自の重要な意味を持ち、根本的に異なる概念であることがわかります。
| 用語 | 意味 | 主な使われ方 | 例 |
|---|---|---|---|
| 原 本 | 複製や写しではない、唯一のオリジナル文書や本 | 法律・契約・公的書類の文脈で多い | 契約書の原本、戸籍の原本、領収書の原本 |
| 原 紙 | 特定の用途に使われる特殊な紙 | 蚕卵業や印刷の分野で多い | 蚕が卵を産みつけるための紙、ガリ版印刷のためのロウ引き紙 |
「原本」とは?意味と具体例

「原本」とは、唯一無二のオリジナル文書や本を指す言葉です。
コピーや複製ではなく、最初に作られたそのものを「原本」と呼びます。
公的な場面や法律上のやりとりでは、必ず「原本」が基準とされるため、とても重要な存在です。
「原本」の定義
辞書的には、原本には以下のような意味があります。
- 基本・起源となるもの。
- 写本や翻訳などを行う際の基となる書物や文書。
つまり、どんなに精巧にコピーしても、それは「複製」に過ぎず、オリジナルの「原本」とは区別されます。
原本の具体例
原本の具体的な使用例を見てみましょう。
- 領収書の原本
受け取った側の押印があり、印鑑の朱肉の色が残っているもの。コピーやPDFは「写し」となる。 - 契約書の原本
双方の署名・押印がある書類。複数作成されても、それぞれが「原本」として扱われる。 - 戸籍の原本
市区町村で保管されている正式な戸籍簿。住民が請求できるのは「戸籍謄本」「抄本」という写し。 - その他の公的文書
請求書・登記簿・判決文など、法的効力を持つ書類は、原本が存在してこそ証明力を持つ。
コピーとの違い
コピーやスキャンデータは、見た目がそっくりでも「原本」とは呼べません。
例えば領収書の場合、赤い印鑑のかすれ具合や紙の質感など、唯一の痕跡があるものが原本として扱われます。
これがなければ法的効力を証明できないケースも多いため、「原本」は日常生活以上に、ビジネスや法律の世界で重要視されるのです。
原紙とは?2つの主な意味

「原紙(げんし)」という言葉は、日常ではあまり耳にしませんが、特定の分野で重要な役割を持つ紙を指します。
「原本」と混同されがちですが、まったく異なる概念です。
特に「蚕卵用紙」と「ガリ版印刷用紙」の2つが代表的な意味となります。
蚕卵用紙としての原紙
養蚕の現場で使われる「原紙」は、蚕が卵を産みつけるために作られた特別な紙です。
この紙の上に産み付けられた卵は、その後の検査や選別に利用され、養蚕業において欠かせない道具となっていました。
- 明治時代から蚕種業が盛んになると、蚕卵用紙の基準が定められ、品質管理に役立てられた。
- 現代では規模は縮小しましたが、歴史的に養蚕の発展を支えた存在。
普段の生活では触れることが少ないですが、日本の伝統産業を支える「影の立役者」と言えるでしょう。
ガリ版印刷で使われる原紙
もう一つの「原紙」は、かつて広く使われていた**ガリ版印刷(謄写版印刷)**に欠かせない紙です。
これは表面にロウを塗った特殊な紙で、鉄筆で文字を刻むことでインクが通り、同じ文書を何十枚も複写できる仕組みでした。
- 学校のテスト問題や町内会の資料など、コピー機が普及する前は身近な存在。
- 50代以上の世代では「先生のお手伝いでガリ版を刷った」経験を持つ人も少なくない。
- 手でインクをローラーで伸ばす作業は独特で、わら半紙の手触りとともに懐かしさを覚える人も多い。
現在はほとんど姿を消しましたが、日本の教育や地域活動を支えた重要な印刷技術でした。

「ガリ版って、ローラーでインクを伸ばすやつ? わら半紙のプリント、懐かしい~!」

「そうそう。先生が刷ってたのを手伝った人、多いのじゃないかな?インクの匂いまで思い出すわ。」
原本と原紙の違いを整理(比較表付き)

ここまでで「原本」と「原紙」について、それぞれの意味や具体例を見てきました。
最後にもう一度、両者の違いを整理しておきましょう。
原本と原紙の違い(まとめ)
| 項目 | 原本 | 原紙 |
|---|---|---|
| 意味 | コピーや複製ではない唯一のオリジナル文書や書籍 | 特殊な用途のために作られた紙 |
| 使われる分野 | 法律・契約・公的文書 | 養蚕・印刷(ガリ版) |
| 具体例 | 契約書の原本、戸籍の原本、領収書の原本 | 蚕卵用紙、ガリ版印刷用のロウ引き紙 |
一覧で「混同しないポイント」を強調
両者を混同しやすい原因は、「原+本」「原+紙」という似た見た目にあります。
しかし、実際には以下のように明確な違いがあります。
- 原本は文書のオリジナル → コピーではなく唯一の存在
- 原紙は特殊な紙 → 日常的な書類のことではない
- 使われる分野がまったく異なる → 原本は法律や契約、原紙は養蚕や印刷
このように、見た目の漢字の組み合わせに惑わされず、使われる場面を意識すれば混同を避けられます。
間違えやすい関連用語との違い

「原本」と「原紙」は字面が似ているため混同されやすいですが、実際には他にも誤解しやすい関連用語があります。
ここでは特によく出てくる 「元本」 と 「原典」 を取り上げ、それぞれの意味と違いを整理しておきます。
元本との違い
「元本(がんぽん)」は、金融やお金のやりとりの場面で使われる専門用語です。
- 元本の意味:投資や貸付などで最初に差し出したお金。利息や利益がつく前の基礎となる金額。
- 原本との違い:「原本」は文書のオリジナルを指すのに対し、「元本」はお金の世界の言葉。漢字は似ていますが、意味は全く別物です。
例:
- 預金の元本
- 債権の元本

「元本と原本、字も似てるからパッと見で混乱するよね。」

「でも意味は全然違うの。お金の話か、文書の話か、使う場面を意識したらもう間違えないわよ。」
原典との違い
「原典(げんてん)」は、文学や学問の分野でよく使われる言葉です。
- 原典の意味:翻訳や解説のもととなるオリジナルの文献。
- 原本との違い:「原本」もオリジナルを意味しますが、原典は特に「文献」や「著作」の分野に限定されて使われます。
例:
- 聖書の原典
- 古典文学の原典
似ているけど別物の言葉も整理
「原本」「原紙」と並んで混同されやすい用語には、ほかにもいくつか存在します。ここでは代表的なものを整理しておきましょう。
- 原書
翻訳された本のもとになった書籍。たとえば英語で書かれた原書を、日本語に訳したものが翻訳書。原本と混ざりやすいですが、文書ではなく「本=出版物」が対象です。 - 原案
計画や法案などの最初の草案。オリジナルという点では原本に近い響きですが、法律文書や契約書を示すものではなく、アイデア段階の文書を指します。 - 原資料
調査や研究で使う一次資料のこと。研究分野で「原典」と混ざりやすいですが、原資料はあくまで調査や研究の基盤となる生データを意味します。
まとめ:「原本」と「原紙」の違いとその使い方
ここまで見てきたように、「原本」と「原紙」は見た目こそ似ていますが、意味や使われる場面はまったく異なります。
- 原本=唯一無二のオリジナル文書。契約書や戸籍、領収書など、法的効力を持つ重要な文書に使われる。
- 原紙=特定の場面で使う紙。蚕卵用紙やガリ版印刷用の特殊な紙など、専門分野で活躍する。
どちらも「原」という字を含みますが、指す対象が全く違うため、混同しないことが大切です。
検索してこのページにたどり着いた方も、ここまでの説明を通じて「原本は文書、原紙は紙」と覚えていただければ十分です。
言葉の意味を正しく理解することは、日常生活だけでなく、ビジネスや学習の場面でも役立ちます。今回の整理がその一助となれば幸いです。

「なるほど~! 原本はオリジナルの文書、原紙は特殊な紙、これでバッチリやね!」

「そうそう。言葉は似てても意味は別物。これからは自信持って使えるわね。」

