のし餅は、手作りのぬくもりと各地の伝統が織り成す、色とりどりの変わり種を持っています。
この記事では、のし餅と切り餅の特徴、保管方法、切り方のコツ、そして魅力的なアレンジ方法を紹介します。
読めば、自宅でのし餅をもっと楽しむためのアイデアが得られ、その魅力に改めて気づくことができるでしょう。
のし餅の基本

のし餅は、もち米を蒸して潰し、平らに延ばして板状に成形します。
特に年末には、お供えの鏡餅を作る余った餅からのし餅が作られることが多いです。
「のし餅」という名称は、餅を「伸ばす」「広げる」作業から名付けられました。均等に薄く延ばされることがポイントです。
新鮮なうちは柔らかく、保存や後加工がしやすい形で保管されます。
のし餅と切り餅の違い
のし餅と切り餅の最大の違いは形状です。
のし餅は一般に大きな板状で保存され、使う際に必要な大きさにカットします。
切り餅は製造時に小さな正方形にカットされ、使用が手軽です。
地域によって好みが分かれ、東日本では板のように伸ばして広げたのし餅が、西日本では丸餅がよく用いられます。これには各地の食文化の違いが影響しています。
ちなみに、私は関西出身ですが私の実家での「のし餅」と言えば「色餅」と言ってよもぎや豆、エビなどを一緒に入れてあるお餅です。
そしてこの「色餅」は、丸餅にすることは無く「のし餅」として細長く?細いかな?わらじのような形でこんもりとさせたものでした。

今でも、豆餅やヨモギ餅などをスーパーで見かけるとこの形になっていることが多いです。
のし餅の作り方
のし餅を作る際には、通常、もち米1升(約1.5kg)が用いられます。
この量の餅を均一に広げると、普通は1.5〜2cm厚の板状になります。
家庭では餅つき機を使うこともありますが、伝統的には大きな臼と杵を使用し、大量の餅を一度につきます。
最近では、本当に見かけなくなりましたが、私の子供の頃には「お餅つき」をご近所が集まって12月の28日か30日についていました。
※29日は、9(苦)が付くと言って避けられていました。
朝早くからのお餅つきだったので、眠くて仕方がなかったことを思い出します。
子供たちもお餅を丸めたり、杵でついたりしていました。
体力も力もないので、何回も杵を振り上げることはできませんでしたが・・・
年末に家族や親戚が集まって餅をつくのは、日本の伝統的な行事の一つです。
のし餅の保存とカットのコツ

のし餅を保存する際は、柔らかいうちに切れ目を入れておくと、後で簡単にカットできます。
固くなったのし餅を切る際は、包丁をお湯で温めるとスムーズにできます。
力が必要な場合は、力のある人に協力を仰ぐのも良いでしょう。
冷凍されたのし餅を切る時は、完全に解凍する前に始めると切りやすくなります。
切ったのし餅は、ひとつひとつラップで包んで冷凍庫に保管し、食べたい時に必要な分だけ取り出すと便利です。
のし餅の楽しみ方と創造的なアレンジ

のし餅はカットして、さまざまな食べ方で楽しむことができます。
焼くだけでなく、ちょっぴり醤油をつけたり、海苔で包んで食べるのも素敵です。
お雑煮の具としても使えば、寒い朝にぴったりの温かい料理を楽しむことができます。
お正月のテーブルには欠かせない、お祝いのアイテムでもあります。
甘党の方には、あんこをトッピングしたり、きな粉をまぶしたりして和風スイーツとしてもお楽しみいただけます。
黒蜜をかければ、さらに深い甘さが加わります。
納豆や大根おろしを添えると、のし餅のもっちりとした食感が際立ち、風味豊かな一品になります。
のし餅のバラエティ
のし餅は白いタイプだけでなく、色々なバリエーションがあります。
のし餅と切り餅の違いのところでもお話しましたが、私ののし餅のイメージは「色餅」です。
キビを使った黄色いキビ餅や、よもぎで緑色にしたよもぎ餅、桜エビを入れたピンク色がとてもキレイなえび餅、豆を入れた豆餅、黒糖を混ぜ込んだ黒糖餅など、地域によって異なる種類が楽しめます。
薄く切ってたり、小さく切って油で揚げるとおかきになります。
もちろんそのまま焼いて、お醤油をたらして食べるのもとても美味しいです。
元旦にこれらの多彩なのし餅を味わうことで、新年の始まりを華やかに彩ります。
まとめ
のし餅は、年末の日本の伝統行事に欠かせない存在です。
家族や友人と餅つきをしてのし餅を作るのは、楽しいイベントであり、素敵な思い出にもなります。
保存しやすい形に工夫することで、準備の手間を省き、長くその美味しさを保つことができます。
焼いたものやお雑煮、さらに甘いアレンジまで、食べ方は多岐にわたります。
のし餅を使って、季節を感じさせる食卓を演出し、日常に特別なひとときを加えてみてはいかがでしょうか。
年末だけでなく、日常の食事にも取り入れ、その風味の魅力を堪能してください。